一寸先は光なり

不動産全般・住宅ローンに不安のある方へ

離婚・住宅ローン・横浜

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財産分与


生涯連れ添うことを想定、約束し、共に生き、共に子供の成長を楽しみ、安定した暮らしをしていく城として住宅、持ち家を持つことはごくごく普通の成り行きだと思います。

 

その想定、約束がくずれ互いに別々の人生を歩み出すことになるのが離婚又は別居(離婚までの別居)になるわけですが、そこにはどうしても避けて通ることのできないお金の問題、話合いがあります。

 

預貯金を折半に分け、所有する不動産を売却し売却益を折半に分け合い、「はい、綺麗に折半にわけました。離婚成立。さようなら」

これならば何の問題もありません。しかし、実際にはこんなには簡単にはいきません。

一般的に離婚に係る離婚費用として
① 慰謝料
② 財産分与
③ 婚姻費用
④ 養育費(離婚成立前迄は婚姻費用含)
離婚費用の代表的なものになります。

① 慰謝料は離婚に至る原因を作った夫もしくは妻が精神的苦痛を受けた夫、または妻に対して支払うものです。浮気が原因であれば浮気をした方がされた方に払うもので、大体の相場があり50万~100万くらいの相場のようです。


② 財産分与は婚姻届を出した日より得た財産はすべてを夫婦の財産として折半にするものです。収入の多い、少ないは関係ありません。婚姻届提出日より全て共同で作りあげたものとして半分に分け合います。(婚姻届前の財産については対象外)


③ 一番厄介なのは婚姻費用です。婚姻費用とは「離婚が正式に決まる迄は夫婦は夫婦なので、それまでと同等の生活を相手方にさせなければならない、保証しなければならない」という費用になります。

 

連帯保証人より怖い?婚姻費


簡単に言えば、稼いでいる方が、稼いでない方の生活の面倒を見るということです。(男女の差別無)
この婚姻費用の厄介なのは離婚理由、つまり離婚の原因を作ったことと、婚姻費用は全く別に考えることになるので、お互いの感情を悪化させることがあります。

 

夫年収700万円・妻専業主婦・子供無(子供有は14歳以下、15歳以上で係数変動)

離婚理由:夫の浮気。これならば夫が悪いわけですから多少の出費は仕方ない。


しかし、離婚理由が妻浮気となるとどうでしょうか?
雲行きが怪しくなるのがわかりますよね?

 

「何で俺が浮気した女房の面倒見るの?」こう思うのは当然かもしれません。
しかし、夫には支払う義務が生じます。(上記逆パターンでも同じです)

またこの婚姻費用は、別居が始まった日から、離婚成立のその日まで支払う義務が生じます。


すんなり離婚届に印鑑を双方が押印しあえば問題も生じませんが、
法定で争うようなことになると、決着をむかえるまでに何年かかるかわかりません。

 

3年・5年・10年とかかることもあります。離婚裁判が長引く理由は1つです。婚姻費用を長く貰うため様々な法定戦術を用い、和解や離婚届押印に応じないからです。(上記夫の年収700万円・妻専業主婦・子供無の例で婚姻費用を算出→10年間婚姻費用を支払った場合、1700万円超になります。)

 

残念ながら、離婚裁判までいくと相手は(お金を貰う方)簡単には引き下がらないでしょう。あの手、この手の法定戦術を引き入れ、ゴネます。全く愛してない相手であっても「愛しているから別れたくない」とゴネればゴネルだけ得をするような感じです。

別居が長ければ、長いだけ得をします。

 

今回ご相談を受けたケースは夫40代年収920万円・妻専業主婦・子供無・離婚理由 :妻の浮気(事実不確定)・住宅ローン無というケースであり、一般的には不動産売却に向けて何の支障も無い事案です。(住宅購入時、夫両親より資金援助あり)。あえて言えば、住宅ローンが無いことが逆に問題なのかな?と思ってしまうケースでした。

 

自分があきらめるか?相手があきらめるか?

終わらない離婚裁判 

 

何故、夫婦間で解決できなかったのか?は解りません。
お互いに言い分は多々あります。全くかみ合いませんが。

今後、弁護士が間に入り和解を取り付けるか、裁判所の裁定を待つかの選択になりますが、裁定の場合、高裁(離婚裁判2審制)まで争う可能性も残ります。時間がどのくらいかかるのか?全くわかりません。


結局不動産を売り急ぐ必要もなく、先が見えない不安感もあり、進捗状況を見極めてからの売却判断となりした。

 

自分たちで解決できなかったのか?未だ疑問にも思っています。1対1で話をすると、夫・妻とも話しの解る方なので。しかしこの奥様の場合、すでに和解金額を熟知しており、争うその意思は堅かった。

 

 

PS:離婚ついて法律的なこと、専門的なことは辯護士にお問い合わせください。
また、婚姻費用の計算方法は現在インター ネットより簡単に算出できます。

金融日記/婚姻費用・養育費計算分析ツール」

http://www.kinyuunikki.com/kompi_from.html