一寸先は光なり

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宅地建物取引士試験

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2019年10月20日

年間に1回しか行われない国家試験というものはおそらく数多くあるとは
思いますが、その中ででも「宅地建物取引士」俗にいう「宅建」の試験は
かなりポピュラーな国家試験であり、人気がある国家試験です。

 

受験応募数を見ても、令和1年の受験希望者数は276,019人という
かなりの規模の国家試験であることは間違いないでしょう。
都道府県別の志願者を見ると

1位 東京  58,580人
2位 神奈川 25,525人
3位 大阪  24,090人
という具合です。

この宅建、受験料7,000円。安いのか?高いのか?
は解りませんが、この受験希望数から考えても
かなりのお金が動く国家試験です。


そんな宅建試験、勿論、不動産業界で働く人には
必須アイテムであることは言うまでもありませんが
不動産業界とは無縁な方にも「いつか役に立つかもしれない?」
ということで人気があるようです。主婦の方、学生さん等々。

この宅建試験に私は試験官として携わらせていただいて
ますが、近年の受験生に大きな変化をよく感じます。

 

12時30分

宅建の試験は午後1時~午後3時までの2時間。
50問が出題され、4択方式。(5問免除者を除く)

大抵の方が正午12時前後くらいまでに
会場に到着して、最後の最後まで参考書や
問題集を見てる人もいれば、瞑想をしている
人もいれば、入念にトイレに行く人もいたりで
様々です。

試験官である我々(通常2名)は大体12時30分くらいに
担当教室に入り、12時40分くらいから試験について
の説明・注意事項を読み上げます。
(教室に入った瞬間に受験生の緊張を肌で感じます。)

 

試験会場で一番大事なことは、スマートフォンタブレットといった
電子系の物を電源を切り、所定の紙袋に入れ、しっかりと
糊付けされた封を閉じることだと思います。特に糊付封を
閉じ忘れると「失格」の恐れがありますので注意が必要です。

 

12時45分くらいから解答用紙や問題を配り
12時50分~開始の午後1時までの約10分間くらい
受験生にとっては何もやるこもなく、
ただただ、試験開始を待つことになりますが
受験生とっては非常に嫌な時間帯だと思います。


緊張感もマックスの中、試験教室は異常なほど
静まり返っているわけですから、、、、

そうした緊張の中1時開始のチャイムと同時に試験が始まる
わけですが、、、、

 

各資格専門学校等の予想合格点を見ると36点前後でしたが
35点が今回の合格点のようです。近年、受験者数に対して
上位15.5%前後の人達が合格圏内に入っているようです。
10人中1人~2人合格できる出来る試験ということになります。

 

過去の宅建試験の合格点を考えれば35点前後の合格点の
問題は一般的には「易しい」部類の問題と言えることが
できますが、、、、本当にそんなに易しかったのか?

 

ここ10年間くらいの問題を見ると、2014年、2015年(平成26,27年)
の問題は著しく難しかったと思います。合格点も32点、31点とやはり
低い点数です。(内心は宅建の問題でこんな難しい問題が必用なのか?
とも思いましたが)

 

しかし、問題が難しかろうが、易しかろうが、上位15%の合格率
は変わりません。必ず上位15パーの人は合格できます。 

 

ここ6年間くらいで宅建の問題はやはり変化があったように
強く思います。問題の変化と共に受験生自体にも変化が生じ
簡単に言えば「合格受験者のレベルが上がっている」
ように思います。

昔は「過去問10年分を10回やれば受かる」なんて言われて
時期もありましたが、現在の試験では「基礎を固める時間」
が前よりも必要だと思います。(何個正解か?何個間違っているか?
こういった出題も増えましたので基礎力と時間を要します)

 

勉強をあまりしなかった方の不合格は仕方ないことですが
かなりの勉強量をこなし、また各資格専門学校の
小テスト、直前答練、直前全国模擬等の試験が極めて
優秀な方が不合格のことが意外にも結構あります。

 

私の知り合いの女性も2015年(合格点31点)に受験して
誰からも「絶対に落ちないよ」と言われるくらい
頑張っていましたし、専門学校のテスト等、結果もその頑張り
を示すものでした。

しかし、蓋をあけたら不合格でした。
本人曰く「今までやってきた勉強・試験と別物に感じ
てしまい、焦るばかりでした」と言っていたのを覚えています。

また今回のような問題だと「今後どうゆう勉強をしたらよいか解らない?」
とも話をしていました。

結果的には翌年も落ち、3回目の試験で合格をしましたが、、、

よく何回か試験を受ければ「試験慣れ」して緊張しなくなる。
という人もいますが「本当でしょうか?」僕はそんなことは
全くないとは思っていますが、、、

基礎力

 

合格に向けて必要なのは「基礎の徹底強化」これ以外には
ないように思います。はなから誰でも緊張して80%の力
が出れば良い方?と言われののが、年1回の国家試験です。

 

ですから、基礎を強化して「取れる問題を確実に取る」
月並みですがこれ以外ないと思います。

 

また毎年「必ず出る問題」というものが宅建の試験にはあります。
民法なら「借地借家法」とか、、、この必ず出る分野の強化は
勿論必要だと思います。

 

近年、単純な4択ではなく、「何個誤りがあるか?」「何個正解か?」
といったような4問全てを理解していないと正解できない問題も増えています。
このことにより時間が非常にロスしてしまうので、全く解らない問題への対処も必用な気もします。

 

令和1年の試験で、思うような結果が出なかった人。相当がんばって、専門学校の
試験などが良くても合格できなかった人はまだ気持ちの整理がつかないかもしれません。

 

頑張った人ほど2年目の勉強のやり方は難しいと思います。
過去問を見ても既に正解を知っています。
専門学校等の教材を見ても、イマイチ新鮮味がないでしょう。

 

しかし、もう一度よく教科書を隅から隅まで読み込むことが
大事だと思います。意外と抜けているかもしれません。

 

私も実は学校の点数は非常によくて一度落ちたことがあります。
その時に「何度も何度も教科書を深く読み込む」ことを行い、さらに理解が増した
経験があります。(意外と抜けていたんだな?とも思いました)

 

勉強のやり方は様々でしょうが、今年の試験に向けて
そろそろ始動してみてはいかがでしょうか?
頑張ってください。