一寸先は光なり

不動産全般・住宅ローンに不安のある方へ

受験生

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学のない父親が何故か教育熱心なパパに変身

もう大分昔の話ですが、私の知り合いに建築会社の社長さんがいました。

当時年齢は70歳くらいだったと思います。

 

いわゆる「地元の名士」と言われる方で金融機関や各界にも人脈も広く、話し方、身の振る舞いどれをとっても全て「ジェントルマン」の方でした。

 

そんな社長さんとゴルフを付合い、ゴルフの後「社長さんが経営している焼肉店」で

食事をしている最中に私はこんなことことをこの社長さんに言われました。

 

「逆なんだよ、女の子だから大事なんだよ。しっかり教育費かけないと、、、」

 

 

この時の会話は「私の娘」の教育について社長さんから色んな話をレクチャーされていましたが、私は俗に言う「普通に育ってくれればよい」という考えでした。

 

しかし、その社長さん曰く、「女の子だからしっかりとした教育を授けないとダメなんだよ」

 

この言葉の中には「条件の良い、結婚」という意味合いも含まれていました。

 

この時、娘は小学校一年生であり、実感も無く、その社長さんの言葉を「聞き流す程度」でさほど気にはしていませんでした。

 

そろばんの試験が落ちない娘

その後、娘には誰でも習わせるような「そろばん」と「エレクトーン」の習い事をさせました。

 

娘が「やりたい」と言ったわけではありません。何となく親が決めてやらせただけでした。

 

何の期待も無くただ通わせてましたが、「そろばん」は級が進んでも「試験」に落ちることもなく順調に進みました。

 

3級の試験が合格した後、そろばん塾の先生から「非常に呑み込みが早いから、進学塾に入れて中学受験をさせたらどうか?」という話をされました。

 

正直いえば「非常に嬉しかった」の一言。公立小学校の成績もよく、内心ずっと

「意外とできるな」とは思っていましたが、この言葉は私のその後の考え、行動を変えるきっけににはなりました。

 

ただ、折角3級まで来たので「1級」までは取らせたい。という気持ちがありました。

その後、5年生の終わりに1級を合格した時点で「そろばん塾」をやめさせました。

 

小学校6年生

 小学校6年生になった時、私は決心をしました。「娘を一流大学に入れる」

という決心です。その時は「国立大学」とか「私立大学」とかは決まっていませんでしたが「ただ単に一流大学」。

 

また、昔「建築会社の社長さん」に言われた「女の子だから大事なんだよ」という言葉が妙に気になり、その言葉がこの頃から私に影響を与えたことは間違いありません。

 

ましてや我が家は「父子家庭」。やっぱり「父子家庭の子供」とは言われたくなかった。

 

こういった発想から「高校受験」の万全を期するために小学校6年生の4月から「早稲田アカデミー」に入れました。

 

高校受験まで

小学校を卒業して、中学に入学しましたがそのまま「早稲田アカデミー」に通わせていました。

 

中学に入って初めて解ったことですが、塾の試験では「国語」が苦手であることが判明。

 

この「国語」にはその後苦労しましたが、「苦手なら苦手のまま放置しておけば良かった」と後悔しています。

 

「国語、国語」と言い過ぎて全体のモチベーションを下げる結果になりました。

 

高校受験の目標校は都立高校の「御三家」。日比谷・西・国立。どこも難しい高校ではありますし、都立の場合「内申」という壁があります。9科目中5段階評価の5を全て取る必要があります。オール5というやつです。

 

勉強もできてスポーツ万能であり美術的センスもある子供であればオール5も可能でしょうが、娘は体育が苦手。特に水泳は大の苦手です。

 

水泳が意外にも大事なのは、内申は中学3年の2学期の成績を提出します。1学期後半から体育の授業は「水泳」がメインになるのですが、1学期の体育の成績が2~3なのに2学期の体育の成績が急に5になることは考えずらいからです。

 

これは筆記試験の点数が100点満点でも2→5は難しいと思います。

3→5でも微妙じゃないでしょうか?

 

しかし、現実的には都立の御三家を受験する子供達はオール5の内申45、44の子供がほとんどでしょう。

 

疑問に思うのが「主要5科目」はこういった子供ができるの解ります。

しかし、体育とか音楽、美術とか家庭科、こういった科目も全て万能なのか?

 

というと「そんなはずはない」の一言だとおもいます。

公立学校の「配慮」はあるのが現実だと思います。(娘の体育の内申を見てもそう思いました。泳げないのに4でしたから)

 

とにかく「国語」の点数を上げないと合格はない。という気持ち一心で

国語に関しては塾とは別に「Z会」の通信教育、家庭教師、個別塾(早稲田アカデミー、市進学院、トライ等)を試してみて、結果が出ない場合は辞めることを繰り返していました。

 

また中学2年の時、その他の科目も点数が落ちてきたので「早稲田アカデミー」から

SAPIX」に塾を変えたりもしていました。(2年生の後半にはまた早稲田アカデミーに戻りましたが)

 

夏期講習の時期などは塾の夏期講習と個別授業で息つく暇はなかったと思います。

 

その結果

 

内申43で望んだ「御三家」の受験。神頼みも元旦から散々拝み倒し、やれることは全てやり自分では「満足感いっぱい」

 

合格発表の日、勿論私も一緒に発表を見に行きました。しかし、実は「合格発表の合格掲示板」を見る勇気が私にはなく「パパは駅で待ってるから、見てきてよ」と言って

駅で待っていたのが真実です。

 

随分長い時間に感じましたが30分くらいして娘は戻ってきました。

娘が私に「なかった」と一言。

「そう、よく頑張ったよ」と言うのがやっとの私。

 

帰り道、「何か勉強と違う会話を探そう、話をしよう」と

思えば思うほど言葉が出ずに帰宅したことを今でも覚えています。

 

大学受験に向けて

 

残念ながら都立高に入学することが出来なかったので神奈川県内の私立高校に進学。

男女共学でありながら男子の校舎と女子の校舎は別々にあり、修学旅行も無いという学校に入学しました。

 

はなから目標は一流大学。「高校受験の失敗くらいでくよくよしている暇はない」と自分にも娘にも言い聞かせ、懲りもせず早速娘の塾選び。

 

結果的に「今でしょ」で有名な林修さんが講師の「東進ハイスクール」に高校入学前の春休みから入学。3年後「サクラ咲く」という願いに夢を乗せて、、、

 

高校2年の時

学校にもよるでしょうが、娘の学校は高校2年時に「国立」か「私立」「文系」か「理系」か?この選択をしてクラス分け授業を行います。

 

本来、金銭的な面からも「国立」と言いたかったのですが、「娘が科目の多い国立を目指すことは難しい」と判断。「私立」一本に絞ることにしました。

 

夢は「慶應義塾

 

こんな目標を娘と話し合い、娘も「がんばる」と言ってくれました。

受験まであと一年半「ようやく志望校、チャレンジ校」が決定。

 

またこの時期「過去問を受験数ヶ月前から始めるのは遅く、高校2年の時から始めないとダメですよ」と、人から教わり「過去問用の家庭教師」を雇ったりしました。

 

その結果

大学受験は私にとって娘が小学校6年生から7年間、「夢みた」集大成です。

直前模擬等の結果も悪くなく、「今度こそ」はという気持ちで臨みましたが、、

 

結果は「惨敗、、、、」早慶の壁を越えることができませんでした。

 

浪人も考えましたが「すでになりふり構わず金をかけすぎて金銭的余裕がなかった」ことと「東京オリンピックが終わる前に就職させたかった」「もうよく頑張ってくれた」

 

こういった理由から合格した大学の中から「本人が行きたい大学」を選びました。

 

当時を振り返って今思うこと、、、

現在、娘は大学3年生。12月は企業説明会みたいのが多いのか?よくリクルートスーツを着て出かけています。

 

当時を今振り返ってみて私にとって娘の受験は、本当に楽しいイベントでした。

 

「娘のため?」にではなく「自分のために」時間も金もかけてきたと確信しています。

毎晩、塾まで10時頃車で迎えにいき、栄養学も学び「頭によい料理」などを作ることも楽しかった(笑)

 

私自身、沢山の教育に関する書物を読み、沢山の一流大学出身の方の話を聞き、質問もしました。「なるほど」「このやり方はいいかも?」などと思うことは、迷い無くすぐ実践して試してみました。

 

当時、あれこれ考え試行錯誤するのがとにかく楽しかったし、「生き甲斐」でした。

 

「何故?あんなに狂ったように教育熱心になったのか?」と問われれば、私には一点思いあたることがあります。

 

それは「自分に情熱を傾ける仕事や趣味がなかったから」だと思っています。

 

子供が受験期を迎える親の年齢は大体30代~40代にかけてだと思いますが、

この年齢って「10代」「20代」のような楽しみは失っている人が多い筈です。

 

仕事にも「慣れが生じ」、「趣味におぼれることが出来ない家庭事情、社会責任」等が生じ義務には負われるが、実はまだ自身も「そんなに年ではない」という中途半端な年齢。

 

私の場合、そんな時に「娘」という自分が自由に「コントロール」できる存在に

私の「イベント」に付き合ってもらった。と感じています。

 

本来、「一流大学入学」とか「高学歴」とは「条件の良い就職」「一流企業」等に我が子を入れて「金銭的に困らない安定した生活を送って欲しい」という親の思いから

高い費用をかけて大学まで面倒をみる筈ですが、私は娘の就職には全く興味はありません。

 

現在、企業説明会に行っている娘が「どんな会社の説明会・インターン」に行っているのか全く知りません。一切聞くこともなく就職を迎えると思います。

 

こういう自分を見つめた時に、「受験」はやはり僕にとっての「イベント」だったのかな?と思います。

 

塾?有名な進学塾は早稲田アカデミー、市進学院、SAPIX、、臨海セミナーと、無料体験、夏期講習等利用したことがありますが、どこも変わらないと思います。

 

一言でいえば「同じ」。家庭教師の方が当たり、ハズレがあると思います。

「学生」だから悪いわけでもなく「東大理科三類」だから良いわけでもない。

 

格別「できのいい子」は塾だけで充分でしょう。娘の家庭教師に「桜陰卒」の東大生がいましたが、小学校の時「いつから塾に入ったの?」と聞いたら「小学校5年生」からと言ってました。

 

わずか二年で、どの進学塾の校長にも「怪物」「異次元」「桜陰の中学1年と開成の中三は同レベル」とまで言わしめる学校に受かる子供もいます。

 

どの進学塾の校長も「天才と一目置く」桜陰の子供ですら「全員」志望校に受かることはないのですから受験は難しい。全員が中学受験の時のようなモチベーションを維持できれば、「全員」志望校合格くらいの能力なんでしょうが、、、

 

桜陰にも「落ちこぼれ」はいるわけです。想像がつきませんが、、、

人間社会の「摩訶不思議?」でありますが、現実です。

「地頭」が良いので、「やる気」になれば回復も著しく早いらしいですが、、、

 

7年間楽しかったし、一点の後悔もありませんが、一点あるならば「合格」して「自信」を持たせられなかったこと。

 

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現在受験生を持つ方

「勉強」であれ「スポーツ」であれ「芸術」であれ、親と子供が二人三脚で一つのことに精一杯取り組むということ決して悪いことではないと思います。

 

願いを込めて結果の見えない冒険に我が子と踏み出す瞬間です。

 

「真の航海とは、同じ視点で百ヶ所を巡ることではなく、百通りの視点で同じ場所を見ることである」

マルセル・プルースト

 

 

 有名スポーツ選手でも有名な芸術家でも、親子二人三脚でやってきた

という人は数多くいると思いますが「有名」とまでいく結果が出る方はごく

一部でしょう。

 

しかし、勉強であれば「模擬が何位だった」とか「偏差値が上がったとか」

スポーツなら「優勝したとか」「タイムがあがった」とか

芸術系なら「コンクール何位になったとか、、、、

 

結果が良ければ「次はもっと上を」悪ければ「今度こそは、、」と思うのが親です。

目標に対して「一喜一憂」するわけですが、、、、

 

しかしこんなに「喜んだり」「落ち込んだり」「どきどきしたり」「思い悩んだり」

こんな圧倒的な存在、他にいるでしょうか?こんなイベントを与えてくれる人が他にいるでしょうか?

 

なかなかいないのではないでしょうか?「我が子以外には。。。」

 

「勉強」でも「スポーツ」でも「芸術」でも、親子揃って目標に向かう時

それは「自分を取り戻す時であり」、「人生最高の興行主」「馬主」になる瞬間だと思います。

 

子供はサラブレット。塾という調教場でトレーニングを積むわけです。

晴れて出るレースが、G1、G2、G3、どのレースであっても、

勝利を夢みる。

 

他人が行う「興行」と大きく違うのは「採算は考えない点」です。

 

道半ば、楽しむ余裕は無いでしょう。

しかし「結果が解らないから、明日も期待する」

 

全て終えた私には「明日、何曜日かも解らない時があります」

明日、期待できる受験生を持つ「お父さん」「お母さん」

振り返ると「今でしょ」というくらい「エキサイティングな時期」であり

実は「あなたが主役でもあります」

何故なら「志望校に合格できたら、子供以上に親の方が嬉しいから」

 

時節柄お体にはご自愛ください

友人の子供が「中学受験」の時に、風邪をひき「第一志望校」を受験できませんでした。いまだにそのことを思い出すことがあると言います。

 

受験して「不合格」なら諦めもつきますが、何年か準備してきて「試すことすら出来無い」というのは無念です。

 

子供の「体調管理」は非常に大事ですが、まずは「親」が体調管理を整えることが肝要かもしれません。「ご自愛ください」

 

特に中学受験は「親力」と言われる世代ですので、、、、

 

エピローグ

 

残念ながら「結果」が出なかった、私と娘の7年間。

理由は2点、「本人実力不足」「親が求めるものが多すぎた」

 

が「楽しかった、ありがとう」と本当に思います。

 

大学に入ってから娘は3年間、今現在でも「デパ地下・ハンバーグ屋・たこ焼きや」

のバイトを3年間も変えずに3っつしています。

 

「なんで飲食ばかりか?」知りません。

 

が、バイトというものも馬鹿にはできず、むしろ「塾」などよりは「学びの場」が多いのか?急に娘の成長を感じました。

 

所詮は人間社会、実践に勝るものはないのかな?と思ったりもします。

 

成長を感じた日から娘に干渉することは一切やめ、今日に至りました。

 

もう、「イベントに参加してくれた娘の面影はありません」

 

さびしい、、、ことですが、、、

 

死ぬ前に「最後のイベント」として、「娘の子供」、私にとっては孫ですが

今度は「孫と東大をめざす」とひそかな野望を持っていますが、、、(笑)

 

ps:「 国家の品格」の著者、御茶ノ水女子大名誉教授 藤原正彦さんが「歴史的に 

  天才」とよばれ、数学界に功績を残した世界の12人(確か?)を研究したと

  ころ、この12人に共通する点は、たった一点だったそうです。

 

  それは「生まれ育った環境が圧倒的な大自然の中で育っていること」以上。

 

受験は運ではないのでしょうが、それでも、、皆さま,お子様に

「ご武運がありますことをお祈りして」

失礼します。