住宅ローン・難しい相談
回答に難しい相談
今から数年前の相談事例。
Bさんは10数年前に会社員をやめ、投資(株式・為替)で生計を立てていました。
しかし、とある大怪我をして依頼、現在まで寝たきり状態が続く。
半年間怪我の治療後、退院はしたものの、その数ヶ月後にC型肝炎と肝硬変を患い
その後、悪性リンパ腫ステージⅣ。奥様と社会人2年目の長男と同居。
Bさん自体は数年間収入はなく、奥様のパート代と長男が家庭に入れるお金でやりくり。計、月に16万円前後。
債務状況
住宅ローン 残債2600万円 毎月10万円返済(ボーナス時40万円加算)
収益物件 残債1040万円 毎月6.8万円返済(家賃に対して毎月の赤字
1.6万円)
銀行系カードローン 借入金360万円 毎月9万円返済
今までは預貯金を切り崩し、または銀行系カードローンを借りて払ってきたが
もう払えない。不動産を売却すべきか、余命を待ち「団体信用生命保険」で家族に不動産、財産を残す方が良いのか?親子間売買を検討できないか?という相談。すでに弁護士数名に相談しようとしたが、相談予約を受け付けてもらえなかった。
回答ができない
現在、医療費も払えない状況の中、非常に難しい内容、相談です。(医者ではないので)
こういったケースの場合、例えば「息子さんの年収なら親子間売買は可能ですとか、
メリット・デメリットを伝えることができますし、「今自宅を売れば?千万円で、収益物件を売れば?千万円です。だから売るならばこちらですよ」とかの多少のアドバイス
は送れますが、、、できるのはそこまでです。
不動産の活かし方はアドバイスはできても、他に命のアドバイスはできません。
不動産屋ごときが言うことではなく、「僕ならこうします」と言ったとこで
非常に安っぽい言葉に聞こえるでしょう。
会話の中で奥さんも、息子さんも同伴しましたが「誰も判断がつかず」終始
全員が自信なく、全員が言葉少なげな中、私は退席いたしました。(申し訳なく思っています)
私も口が重くなり、糞の役にも立ちませんでしたが、口が重くなった一つに
Bさんの心の中では「すでに心が決まっており、家族に財産を残す選択をしてる」
と感じたことです。Bさんは、自分が他界するまでに「何かローンを払い続ける手が
ないか?」ということを聞きたかったのかな?と帰宅してから感じました。
すでに「寝たきり」での面談ではありましたが、本人も話すのが苦痛そうでした。
1点思うのは、まだあまり病状が進まないうちに「家族でじっくり話し合う」ことの重要性です。売らなければ治療費もでない となると家族でも、ましてや他人など答えられないのが現実です。