住宅ローン・競売・成年後見人
成年後見人という制度
いわゆる認知症・精神障害など、本人の意思能力が著しく低下してしまった人を守るためにできたこの制度。平成12年にできた比較的新しい制度。
任意後見人
・まだ意思能力がある、はっきりしているちに「将来ぼけたらどうしよう?」と考えた
人があらかじめ後見人を自分の意思で選ぶ(通常は家族)
・公正証書契約が必須
法定後見人
・すでに意思能力が低下してしまってる
・裁判所が後見人を選ぶ
・後見制度は本人能力により3段階 補助人・補佐人・後見人
成年後見人の権限
・取消権
・包括的代理権
・財産管理
・身上監護
(医療同意権は責任問題が面倒らしく拒否するらしい)
成年後見人のおそろしさ
一番こわいのは、法定後見人になると家族がなる確率が以上に落ちる。
家庭裁判所が家族以外を選任する割合70%超。弁護士が司法書士が選ばれます。
まずここで家族は異常な違和感を覚えます。被後見人(本人)が財産が多ければ、多いほど家族がなる確率は落ちる。
成年後見人に支払う報酬は月に5万円前後(3~6)。
この額を亡くなるまで払います。
途中解約?おそらくできない。
また家族が後見人になっても被後見人にある程度の財産がある場合、後見人のチェック役として後見監督人が選任。監督人にも報酬が発生。
財産を守るだけの法定後見人
法定後見人の役目は財産を守ることです。増やすことも、活用することもありません。
当然といえば当然?人のお金ですから。。。。 但しまったく融通がきかない。
そこに異常な怒りを覚える人は多数います。特に親のお金の場合。
よく聞く話に、父親が昔は社長、、息子が今社長、、こういった中小企業内の様々な内部事情を知らない他人に財布の全てを握られる。
「俺は親父の借金を全て継いで経営している」「俺は親父の借金を全て返済してきた」
等々、家族にしか解らない、家族間のお金の流れも中小企業にはあります。
今年、私の仕事で会った成年後見人
今年の話です。父1人、長男1人 自宅の土地・建物を2分1ずつ共有名義。
土地・建物に借金はなし。
この息子さん、自営でしたが商売がうまくいかず、消費者金融数社に借金がありました。そのうちの1社より自宅(土地・建物2分1の権利にたいして)差押え。
競売です。そこでわたしと合いました。
差押えられた金額50万円。びっくりするくらい安い金額です。
この方の自宅不動産査定は8千万前後。
この金額で2分1の権利を失うのはあまりに理不尽。
ただ、50万くらい父親が出すでしょう?家の権利取られるくらいなら、、、
と誰でも思います。
ここで登場するのが、成年後見人。
お父さんには成年後見人がいました(老人ホーム)。若い女性弁護士。
こういったケースでも、成年後見人が50万支払うことはありません。
彼にはお金が無いことを知っていても、相談するだけ無駄です。
金額が少ないので、一応は相談しましたが。。。
回答は事務的?て、いうか回答あったかな?
最初から期待してないので忘れました、、、、
父親がそれを望むのか?非常に疑問に思います、、、。
まとめ
私がよく相談する司法書士・弁護士の先生の中で、非常にご家族と円満におつき合い
している法定後見人はいます。
この先生なら、自分がぼけたらお願いしてもいいかな?と思う人はいます。
しかし、この制度は一度利用するとキャンセルが非常にハードルが高い。
たとえ、家族がなっても問題が残ります(監督人の干渉・兄弟、姉妹間の金銭トラブル
成年後見人という制度を利用する場合、非常によく考えた方が良い制度だと思います。
ps:
私が今年関わった成年後見人の案件ですが、差押え金額が低いので、
どうにでもなる、やり方は沢山ある案件です。
不動産の2分1の権利だけ売るという選択は価格が非常に落ちます。
あらゆる選択を提示しましたが、徐々に本人が自分に対する嫌悪感
様々な人に対する苛立ちがピークに達してしまいました。
意思能力を最後には無くしてしまいました。
「生きていく」という意思を。
非常に残念で、今でも思い出します